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「もしかして、あなたも?」
麻依が千夏に言った。
「知るワケ。私はただ、隠れてただけ・・・」千夏が急に泣き出した。
「大丈夫?」裕美が近寄る。
「ダンナがさ、私を殴った・・。ちくしょう、もう絶対別れてやる」
千夏が涙を手の甲でぬぐった。
「ダンナってあのヤンキー?」
その声に、麻依たちそこにいた全員が振り向いた。
壁にもたれて立っている男がいる。
「だれ・・・」麻依はわからなかった。
「メール、あったって言えよ」と、その男が千夏に言った。
「なんでここに!・・・」千夏が驚いた。顔見知りのようだった。
「声がするからのぞいてみたら。メールきたの、おれだけじゃなかったんだ。あーよかった」
みんなが千夏を見た。
「なんで今頃ねえ・・・。しかもほとんど私、関係ないし」
千夏は口をとがらせた。
「誰ですか?」麻依がその男に聞いた。
「いや、どうも、おれは朝斗のバイク仲間だったっていうか」
「森沢俊樹だよ」と千夏が紹介した。
「バイクショップの知り合いつながりってわけ。で、こっちはそこに来てたヤンキーにくっついてた女」
森沢という男は、千夏を指すとけらけら笑った。
「なにそれ」千夏はむっとする。
「つまり、みんな刈谷朝斗の知り合いってことか」館山が言った。
「あ、おれは朝斗とは仲よかったから。こっちと違って」と、森沢は千夏をまた指した。
「なにそれ!」
「おれだって悪かなかったよ」と館山。
「でも、なんで?だったらなんで、みんなメールのこと隠そうとしたの?」
麻依がそう言ったとき、裕美が口を開いた。
「あなたたちがみんな、刈谷朝斗って人のことで呼び出されたなら、なぜか、その理由があるはずよね?」
「理由か、何だろうな。けど、おれはメールのこと別に隠してないよ。まあ、営業さぼる時間つぶしに来てみただけなんだけど」
森沢が呑気そうに言った。
「これ見たでしょ」麻依が床に円形に置かれたものを指す。
「ふーん」やはり森沢は呑気そうだ。
「あの、今何時?」裕美が隣りにいた館山に聞いた。
「4時すぎ」
「まあ、私そろそろ・・・」
「呼び出された私たちの共通点は何?」麻依が緊張した声で言う。「同じクラスだったってのでもないし・・それとも、知らず知らず、彼が死んだことに何か関係があるとでも?」
「誰がが刈谷朝斗を殺したとでもいうつもり?」千夏が口をとがらせた。
「殺したなんて言ってないでしょ」
「メールを送ったのが、もしかしてこの中の誰かだったりして」
館山が麻依を見た。
「まだ言ってる」麻依がむっとした。あきらかに館山はやはり麻依を疑っている。
「あの・・」と、裕美が口を開き、みんなが一斉に彼女を見た。
「あの、電話の声は男の人でしたよ」
「ほらぁ。ほらほらぁ」
千夏がにやにやして館山と森沢を指した。
「あ、いえいえ、声が違うの」
「ほんとぉ?」
「間違いないわ。電話の声って聞きなれてるからわかる」裕美が言った。「麻依さん、やっぱりさっきの・・・」
「メタルザキ?まさか」
「メタル・・ザキ、もしかして柏崎のことか?」
「すごいネーミング」森沢が麻依と館山の会話に笑った。
「そう、柏崎。さっきこのビルの前にいた」
「あーさっきの!」千夏はやっと思い当たったようだった。
「なんであいつがメールするんだ?」
「そう、ありそうにない。まるで接点がなかったから」
館山と麻依はかつて柏崎と同じクラスだったことから、イメージが同じだった。
「んー、でもよ、実は知り合いでしたとかってことはありえない?」
「あり得ない」
森沢の気楽な言葉に麻依がすぐ反応した。
「ここの誰かがグルってことも?」館山が思いついたように言った。
「なにそれ!」
「いや、可能性の話だよ」
千夏の言い方に館山が少しいい訳した。
「ていうか、誰この人」
思い出したかのように森沢が裕美を指した。
「あ、私のバイト先の…」
麻依が紹介しようとした。
「どうも。町田裕美です。ああ、そうだ。もう私はいいわね」
裕美は苦笑した。いつのまにかここに参加しているようだ。
「まあまあ、そう言わずにつきあってよ」
森沢がにこにこした。
「バイトって、保険会社じゃなかった?」
館山が麻依に聞いた。
「なんで知ってるの」
「前に同窓会したとき、誰かから聞いた」
「そうそう、チーフだったそうよ。有名な会社なのにもったいない」
裕美が口をはさんだ。
「難しい人間関係と職場の軋轢のために肉体的にも精神的にも疲れて辞めました」
麻依が嫌味たっぷりに言うと、館山はぽかんとしていた。
「どうしてどうしてどうして、もう聞かれ飽きたから」
「あの、じゃあ、私もう晩ゴハンの支度あるから・・麻依さんも、昔の友だちを思う気持ちはよくわかるけど、もう帰った方がいいわ。なんだか怖いじゃない。ね、帰りましょうよ」
裕美が麻依の手を引いた。
「いえ、やっぱり私、知りたいんです」PR -
麻依がそっとドアを開けると、隙間から廊下をのぞいた。人影はない。千夏が興味しんしんに麻依の背後からのぞいている。
「あ」千夏の声がもれた。
廊下の奥の扉がじわりと開いたからだ。男の後ろ姿が見えた。スーツ姿だ。男は背中を見せたまま現れた。そして体をこちらに向けた。眼鏡をかけている。
「あ」今度は麻依が言った。その男には見覚えがあった。
麻依は勢い良く扉を開けた。
「ちょっと!」裕美があわてた。
だが麻依はそのまま廊下に出た。男は驚いた顔をしている。
「館山?館山笙?」麻依が声をかけた。
男は一瞬びくりと体をひくが、目をこらして麻依を見た。千夏と裕美も事情がのみこめないまま廊下をのぞいている。
「私。3-2でいっしょだった茅野麻依」
「かやの・・・あ、あー」
館山と呼ばれた男は、安堵の声をもらした。
「ここで何してるの?」
「何してるの」
近付く麻依に館山がオウム返しに言った。
「まさかメールくれたの、館山くん?」
『 その日、刈谷朝斗は死んだ。
事故か 自殺か それとも他殺か
今も不明のままである。
しかし
知りたくはないか?
カラスアパートに来ればわかる 』
あのメールだ。
「メール?」館山は首をかしげた。「違う、これこれ」と、開いたドアの中を指す。さっき彼が出て来たドアだ。麻依がそのドアの方に近付いた。裕美と千夏も後をついてきている。
麻依がその開いたドアから数歩入って止まった。その後ろから千夏がのぞきこんだ。
「なに、これ・・・」千夏が驚いた声を出した。裕美もまた、その光景に驚いた。
部屋の床に何かの小さなラッピングされた赤い箱、カッター、破れた古いパソコンの本、CD、割れた自転車のライト、スケッチブックが床に置かれていた。
千夏がしゃがむと、スケッチブックを手にした。
「刈谷、朝斗」と、スケッチブックを見せた。制服姿の刈谷朝斗のデッサンがされている。
「意味ありげだよな」
館山がぐるりと円をかくように指差した。それらのものが床に円形に置かれていたからだ。
「これが証拠なの?何か覚えあるの?」裕美が不安そうに聞いた。
「あるわけ」と千夏。麻依も首をふった。
「ねえ、メールくれたの、館山くんじゃないの?」
「なんのこと?」館山が麻依に逆に聞く。
「彼がここで死んだ本当のことを教えてやるってメール」
「したんでしょーぉ?」千夏がいじわるそうに言う。
「死んだ・・・・刈谷朝斗のことか?」
「したくせにぃ」
「おれは仕事でここに来たんだ。もうすぐこのビルは取り壊して立て替える。その調査」
「館山くんでもないんだ」
「メルアド教え合ってるような関係、ナイから」館山はフンという感じだったが「そうだ、茅野サン、どうしておれだとすぐわかった?ろくに話したことなかったし、卒業してからあったの、これが初めてだし」
館山はクラスでもひとり離れて、本を読んでいた印象しかない。
「同級生の名前くらい覚えてるでしょ」と、麻依が言った。
「いや、どうして遠くから、しかも10年ぶりに会って、おれだとすぐわかった?」
館山はひきさがらない。
「それは・・・、わかっておかしい?」
「自分でうっといて、自分にもメールがきたようにして、人を呼び出したとか」
「私も呼び出されたの!」と、麻依は言ったあと、はっとした。
「あなたもなんだ。呼び出されたの」
館山は無言で目をそらした。 -
DISASTER DAY OF CRISISというゲームを、けっこう早くクリアした。これまでゲームを最後までクリアしたことがなかった(難しいとかめんどくさくなってとか)が、今回初めて最後のシーンを見て、非常に満足(笑)
まあWiiだからゲーオタ用じゃなし、初心者向きにできてるだろうし、もちろん「ハード」でもやってないんだけどね。
話はとにかく火山噴火から火災、洪水から地震あれこれ大変ななか、核を持ち出した軍の一部隊を主人公が戦いながら追っていくというなんかムチャすぎるものだ。
レスキュー隊員だった主人公が火山噴火で同僚を助けられなかったことをずっと悔いていて、一年後、その同僚の妹がそのテロリストたちに拉致され、助けるために戦うんだけど、毎度毎度、主人公は今度も助けられないんじゃないかとか、おれでも人を救えるのかもとか、ずっとひきずってる。そのくせ、ひたすらすべての場面でバンバン銃をアレコレかえ、バズーカまで扱って戦闘してるけど。(銃撃戦が楽しいのだ)
どっかでそういうのあったなあと思ったら、最近はまった「ファイナルファンタジーADVENT CHILDREN」のクラウドと同じこと言ってた。やっぱ主役はそういうひきずるものがあった方が盛り上がる(?)んだろな。
で、クリア後も遊べるようになってるけど、2回目はじめてすぐ飽きた。クリアすると違うコス選べたりするのがなんかいまいちだった。どうせなら変なのとか凝ったものにしてほしいが単にTシャツの柄が違うのってどうなんだ(笑)
しかしクリアしたのにすっかり気をよくし、今度はナチスがでてくる(!)←注目
第二次世界大戦のヨーロッパもの(史実を再現してるという)を密かにやろうかなと思ってるとこだ。
ゲームはどうも、ホラーぽいのとかファンタジってるのよりは、現実的シチュエーションが好きみたいだ。だって前に「フラジール」とかいうのも見た目可愛い系だったのに、内容はけっこう怖かったから、ソッコー途中でやめてしまったし。暗闇で霊と遭遇ってのはやだなあ。