「だから言っただろう!」
学校の昼休み中に急に怒鳴り声がし、麻依とクラスの子も振り返った。
館山が刈谷朝斗にCDを見せていた。
「ちゃんとパッケージと中身、揃えて返してくれよ!いつになったら返してくれん
だよ。おれ、こういうのすごい気持ち悪い」
「返せばいいんだろ、返せば。そんなに怒ることじゃないだろ。おれもそこまで気
持ち悪がるおまえが気持ち悪い」
朝斗は少しバカにしたように笑顔を見せた。
「なんだと!」
館山は思いっきり机を叩いた。
「嫌ってたわけじゃない。ただ、おれは性格上、きちんとCDでも本でもビデオで
も、決めた順に揃わないと嫌なんだ」
「たしかに気持ち悪いかも」
館山はじろりと千夏を見たが、すぐに無視した。
「知ってるやつ、いい加減にしゃべれよ。このなかにメールを送ったものがいるのか、
彼の死について何かを知ってるものがいる のか、彼の死に関わったものがいるのか、
あと、その電話してきた男が誰なのか。それがぜひ知りたいね」
「でも証拠とかも結局ないし、やっぱりただのいたずらじゃないの?」
「ただのいたずらであんなことする?ほら、あの」麻依が裕美に言う。
「あ、刈谷さんはまだ見てないんだよね。あの部屋のへんなもの」
千夏が嫌そうに言った。
「へんなもの?」
「へんなものがへんに置かれてるの」
「イミわかんない」
森沢があきれたように笑った。
「ない!」
ドアを開けたとたん、千夏が大声で言った。
さっきまで部屋の床には、何かの小さなラッピングされた赤い箱、カッター、破れた古いパソコンの本、CD、割れた自転車のライト、スケッチブックが置かれていたはずだった。
「なんで?」
「誰が…」
麻依と裕美も顔を見合わせる。
「みんないっしょにいたよね」
「やだー」
「まさか」麻依は何か思い当たったようだ。「ちょっと見てくる」と、走り出て行った。
「ねえ、ちょっといい?」
一斉にみんな、森沢を見た。
「千夏、おまえ、カッターナイフで刈谷朝斗の鞄をズタズタに切り裂いてたことあ
ったよな」
バイクショップでのことだ。学校帰りに朝斗が寄り、鞄を置いて、そのまま森沢と外に並べたバイクを見ながら話していた。千夏もやってくるが、そのままショップの中に入っていった。いつもなら憎まれ口たたいていくのにと、森沢はちょっと気になり中をのぞいた。
「おい、なにやってんだよ!」
千夏は置いてあった朝斗の鞄を、熱心にカッターで切っていた。
「万引きを止められたはらいせだろ」
「私がやりたいわけじゃなかった。カレシがやっちまえって…」
千夏は口をとがらせた。
「つまりカッターなんだよ」
森沢は確信的に言った。千夏を責めているわけではなかった。
「刃のこぼれたカッターナイフがここ」と、床を指す。
「ここにページが破れたパソコンの本、こっちには中身の違うCD」と、さらに床の別の場所を順に指す。
「パソコンの本?…」
刈谷が驚く。
「あー、さっきそんな話してたよね!」
千夏がうなずいて刈谷を指した。裕美はまだよくわからない顔をしている。
「それに」と、森沢はまた次の床の別の場所に移動して止まった。
「えっと、そこにあったのはぁ」
「自転車の…ライト?」千夏に裕美が言った。
「あ、そうそう!でも壊れてなかった?」
「おれが朝斗の自転車にケリ入れて、ライト割った」森沢が困った顔をした。
「なんだ、あんたもむかついてんじゃん」
「なんでそんなことを?」と、館山が冷静に聞いた。
「すごい欲しかったバイクだったんだ。 キーもついたままだったし、つい、やっち
ゃったんだんだなあ。それを朝斗のやつが戻せ、戻さないと警察に言うって」
「逆ギレじゃん」
「そーです!そのとおりです!」
「じゃ、ここにあった赤い箱はぁ…」と、千夏が床の別の場所を指した。
そのときドアが開いて、麻依が現れた。
「メタルザキをのぞいたけど、もうビルの前にいなかった」
「ご登場—」森沢がニヤニヤした。
「え…、なに?」
「ここにあった赤い箱に覚えあるだろ」
「みんな、ここに置かれてたものに関係があったらしいの」
裕美が麻依に説明した。
「そうなんだ…、やっぱり」
麻依はそう思っていたようだった。
「赤い箱に、見覚えがあったから、でもまさかってね」
「んもー、早く言ってよ」
「あんたもね」千夏が森沢を小突いた。
「あ、じゃあ最後のひとつは誰?」
制服姿の刈谷朝斗のデッサンがされていたスケッチブックのことだ。
学校の昼休み中に急に怒鳴り声がし、麻依とクラスの子も振り返った。
館山が刈谷朝斗にCDを見せていた。
「ちゃんとパッケージと中身、揃えて返してくれよ!いつになったら返してくれん
だよ。おれ、こういうのすごい気持ち悪い」
「返せばいいんだろ、返せば。そんなに怒ることじゃないだろ。おれもそこまで気
持ち悪がるおまえが気持ち悪い」
朝斗は少しバカにしたように笑顔を見せた。
「なんだと!」
館山は思いっきり机を叩いた。
「嫌ってたわけじゃない。ただ、おれは性格上、きちんとCDでも本でもビデオで
も、決めた順に揃わないと嫌なんだ」
「たしかに気持ち悪いかも」
館山はじろりと千夏を見たが、すぐに無視した。
「知ってるやつ、いい加減にしゃべれよ。このなかにメールを送ったものがいるのか、
彼の死について何かを知ってるものがいる のか、彼の死に関わったものがいるのか、
あと、その電話してきた男が誰なのか。それがぜひ知りたいね」
「でも証拠とかも結局ないし、やっぱりただのいたずらじゃないの?」
「ただのいたずらであんなことする?ほら、あの」麻依が裕美に言う。
「あ、刈谷さんはまだ見てないんだよね。あの部屋のへんなもの」
千夏が嫌そうに言った。
「へんなもの?」
「へんなものがへんに置かれてるの」
「イミわかんない」
森沢があきれたように笑った。
「ない!」
ドアを開けたとたん、千夏が大声で言った。
さっきまで部屋の床には、何かの小さなラッピングされた赤い箱、カッター、破れた古いパソコンの本、CD、割れた自転車のライト、スケッチブックが置かれていたはずだった。
「なんで?」
「誰が…」
麻依と裕美も顔を見合わせる。
「みんないっしょにいたよね」
「やだー」
「まさか」麻依は何か思い当たったようだ。「ちょっと見てくる」と、走り出て行った。
「ねえ、ちょっといい?」
一斉にみんな、森沢を見た。
「千夏、おまえ、カッターナイフで刈谷朝斗の鞄をズタズタに切り裂いてたことあ
ったよな」
バイクショップでのことだ。学校帰りに朝斗が寄り、鞄を置いて、そのまま森沢と外に並べたバイクを見ながら話していた。千夏もやってくるが、そのままショップの中に入っていった。いつもなら憎まれ口たたいていくのにと、森沢はちょっと気になり中をのぞいた。
「おい、なにやってんだよ!」
千夏は置いてあった朝斗の鞄を、熱心にカッターで切っていた。
「万引きを止められたはらいせだろ」
「私がやりたいわけじゃなかった。カレシがやっちまえって…」
千夏は口をとがらせた。
「つまりカッターなんだよ」
森沢は確信的に言った。千夏を責めているわけではなかった。
「刃のこぼれたカッターナイフがここ」と、床を指す。
「ここにページが破れたパソコンの本、こっちには中身の違うCD」と、さらに床の別の場所を順に指す。
「パソコンの本?…」
刈谷が驚く。
「あー、さっきそんな話してたよね!」
千夏がうなずいて刈谷を指した。裕美はまだよくわからない顔をしている。
「それに」と、森沢はまた次の床の別の場所に移動して止まった。
「えっと、そこにあったのはぁ」
「自転車の…ライト?」千夏に裕美が言った。
「あ、そうそう!でも壊れてなかった?」
「おれが朝斗の自転車にケリ入れて、ライト割った」森沢が困った顔をした。
「なんだ、あんたもむかついてんじゃん」
「なんでそんなことを?」と、館山が冷静に聞いた。
「すごい欲しかったバイクだったんだ。 キーもついたままだったし、つい、やっち
ゃったんだんだなあ。それを朝斗のやつが戻せ、戻さないと警察に言うって」
「逆ギレじゃん」
「そーです!そのとおりです!」
「じゃ、ここにあった赤い箱はぁ…」と、千夏が床の別の場所を指した。
そのときドアが開いて、麻依が現れた。
「メタルザキをのぞいたけど、もうビルの前にいなかった」
「ご登場—」森沢がニヤニヤした。
「え…、なに?」
「ここにあった赤い箱に覚えあるだろ」
「みんな、ここに置かれてたものに関係があったらしいの」
裕美が麻依に説明した。
「そうなんだ…、やっぱり」
麻依はそう思っていたようだった。
「赤い箱に、見覚えがあったから、でもまさかってね」
「んもー、早く言ってよ」
「あんたもね」千夏が森沢を小突いた。
「あ、じゃあ最後のひとつは誰?」
制服姿の刈谷朝斗のデッサンがされていたスケッチブックのことだ。
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コメント
1. 読みました
久しぶりだったので、前の方を忘れて、ざっとですが、初めから読み直しました(苦笑)。
この調子で続き書いてくださいね~(いやいや、mickyさんのペースで大丈夫ですよ)。
2. いや、もうね
この話の方はですね、ダメさ加減がわかってるんですけど、わかってるんですけどねっ、こうなったら最後まで書きますよ。(やけくそ気味)
というか、今確定申告作成中ですわー、ほんとに書類とかそういうのがすっごい苦手です。ネットで説明調べつつやってます。あーあ
ちょっと待ってね。すぐやる課になりますからねっ(笑)