"本"カテゴリーの記事一覧
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トレイルズ 「道」を歩くことの哲学 ロバート・ムーア
今読んでいる本。最近トレイルランみたいなの、よく聞くけど、通る人が同じところを歩き、踏みつけることでできる道を歩いていく話。NHKのBSで時々ある「グレイトレース」とかも大好きだ。
すごくおもしろく興味深い。まるで自分も歩いている気分になる。夜ベッドの中で読むのが楽しみなのだ。ただただ、遠くへいきたい、独りでずっと歩いていたいなんて思ってしまう。
どうにもこうにも、昔っから1人でいることが大好きで。なんでかな。友人とおしゃべりもいいけど、気心知れた友達でさえ、帰った頃にはちょっと疲れてる。決していい人ぶってるわけじゃないが、おそらく自然と気をつかってるんだろう。自分の方向がなんだかちょっと人とズレがあることに大人になってから(!)気づいた。誰だって本当の自分を理解してくれる人なんてそういないだろうけど、私はその意識が人一倍強く、ぜったい誰だってわかりあえないくらいに思っている。わかりあえるなんて幻想だ。でもだからこそ、表面だけでもなんとかわかろうとする気持ちが誠意だと思う。
この年でなんて青臭いこと言ってるんだろうと思うけど、歳とったからって、人間そうそう変わらない。20歳のときの自分と今はもちろんまったく考え方も価値観さえ違う。でも、根底にあるものは同じとこが変わらない。何かがひっかかっていつまでたっても変わらない。
独りでずっと歩いていたいと思うことと、とても似てる。PR -
ユリウス・カエサル 「ガリア戦記」
もちろんあのローマのシーザー。本人が書いた記録。戦争のときのフォーメーションとか、くわしく書かれていておもしろい。カエサルはいつも勝ってたわけじゃないけど、失敗は二度と繰り返さなかったらしい。
指揮官としてのリーダーシップといい、懐の深さといい、本当にかっこいい。赤いトーガ(マント)がひるがえったら戦い開始の合図とか、思わず想像かきたてられる。
塩野七生 「ローマ人の物語」
これを読んで、いわゆる「ローマ帝国」と大まかに漠然と思っていた時代のことがよくわかった。
カエサルについてもすごく良く書いていて、これがカエサルが私の理想の男となった理由だ。(笑)
しかし、知るほどにローマはおもしろい。そして不思議な国のあり方。キリスト以前と以後での違いを考えるとそれまでのあらゆる信仰の自由を認めていた時代こそローマとしてはおもしろかった。宗教は本当に争いのもと。それはこれまでの人間の歴史のそこかしこにあふれている。
また、キリスト以前のローマはなんとなく日本人の感覚と似ているような親近感も覚えた。いや、テルマエ・ロマエじゃないが。
イタリア人はローマ帝国をものすごく自慢していいと思うよ。
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「宇宙からの帰還」立花 隆
これはずいぶん前に読んだけど、アポロ時代の宇宙飛行士たちに立花氏がインタビューしたもの。
宇宙に行って、考え方とかマインドにどんな変化があったかというテーマで、宇宙飛行士たちはそういうことを聞かれたのははじめてだと、おもしろそうに答えていたということだけど、そのインタビューで聞くことは日本的というか、私らにはよくわかる素朴な疑問だ。
飛行士たちはみんな違うことを言った。何も変わらない人もいれば宗教に向かった人もいる。何人かのインタビューを読むと読んだ人が必ず「私ならこの思いがいちばん共感するな」とか選んでしまう。宇宙に行ったことでこんなにみんな違うことを言うのがおもしろく、読んでいてわくわくした。
読んでいて確かにそうだろうなと思ったのは、飛行士たちはみんなほとんど理系だけど、もし芸術家が乗りこんだら宇宙からの眺めにみとれて、アポロの飛行や帰還が無理だっただろうってこと。
きっと私でも、もし外から「自分がそこにいない地球」を眺めたら、操縦とか日常的思考がぶっ飛びそうだと思う。
アポロからどれだけたったか、でも宇宙はまだまだ遠いね。